最初にやったこと:エージェントたちを討論させた

「こういうサイトを作りたい」という漠然としたイメージと、制約条件(非エンジニア・一人運営・WordPress)を渡して、まず複数のエージェントにディスカッションしてもらった。Marketer、Copywriter、UX Researcher、Ideator…それぞれが独立して立論を出し、次に相互質疑、反論、最後にLogic Challengerが論理的な穴を突く、という本格的な議論プロセスを回した。

最終的に出てきたファイルは23本。01_wave1-ideator.md から始まり、23_final-output.md まで、議論の全ログが残っている。この23本を読んだとき、「本当に自分一人の力を超えたチームで動いているんだな」と実感した。

抽象から具体へ:半日で完走した

ディスカッションで出てきたコンセプトを受け取って、そこからは実装フェーズ。コンテンツの設計・執筆をCopywriterが担当し、EngineerがWordPress REST APIを叩いてページをデプロイする、という分業体制で動いた。

「抽象的なコンセプトの議論」から「全ページが公開されたWordPressサイト」まで、半日で到達した。普通にやっていたら、コンセプトを固めるだけで数日かかり、サイト公開までは1ヶ月は超えていただろう。

デザイナー不在に気づいて、その場で採用した

サイトを作っている途中で気づいた。「あれ、うちにデザイナーいないじゃん」。

その場でDesignerの採用・育成に動いた。agentの定義ファイルを書いて、design-system と web-designの2つのスキルを渡して、即戦力として投入した。採用・育成から初仕事まで、30分もかかっていない。Designerはすぐにサイト全体のデザインレビューを開始して、改善点を列挙してくれた。

人間のチームでは起こりえない話だが、AIエージェントチームでは普通に起こる。「足りないと気づいたら、その場で採用する」。

ChatGPTと組んで、Agentに姿を与えた

Claude Codeには画像生成機能がない。でも、チームページに並ぶエージェントたちにはキャラクターのビジュアルがほしかった。

相棒であるOrchestratorとプロンプトをClaude上で設計して、それをChatGPTに渡して画像を生成した。17体分(メンバー15名+自分、Ochestrator)、それぞれのキャラクター設定に合わせたビジュアルを一気に出した。組織図に並べた瞬間、さらに「チームが実在している」感覚が強くなった。ツールを使い分けることで、できることの幅が広がる。

最後は人間のこだわりで、細部を詰めた

デプロイが終わってから、細部の調整が始まった。CSSの優先順位の問題、wp:cover と wp:group の使い分け、スマートフォンでのレイアウト崩れ。「左揃えにして」「カードを4+3の配置に並べて」「このフォントサイズを少し小さく」——自然言語で指示するたびに、Agentが対応してくれた。

これを自分一人でやっていたら、CSSのデバッグで心が折れていたと思う。不慣れな自分どころか、専門のエンジニアでも嫌気が指す作業だからだ。Agentがいるから、最後まで「どうしたいか」に集中できた。

完成後に3名のAgentにレビューしてもらった

「できた」と思ってから、Designer・Growth Engineer・Copywriterの3名に独立レビューを依頼した。容赦なかった。

「完璧に仕上げてから公開する」ではなく、「動くものを出して、改善し続ける」。このサイト自体が、その考え方の実践だ。

初稿のデザインを、Designerが変えた

この記事の初版はこんな見た目だった。

Field Notes 初版のデザイン

WordPressのデフォルトテーマそのまま。白背景に黒文字、サイドバーもスタイルなし。他のページはダークネイビーのヘッダーにシアンのアクセントカラーで統一されているのに、ここだけ別のサイトのようだった。

Designerに見せたら、10項目の改善提案が返ってきた。ダークネイビーのヒーローヘッダー、記事カードのスタイリング、サイドバーにシアンのアクセントライン、h2の左ボーダー、カテゴリーバッジ——全部CSSだけで実装できる提案だった。指示を出して数分で、今のこのスタイルになった。

これが最初の記録。半日でここまで来た。次は、レビューで出た改善点を潰していく。そのプロセスもここに書いていく。

ちなみにこの記事も、サイトを作り終えたその場でCopywriterに「今日の過程を記事にして」と頼んで出てきたものだ。サイトを作って、その過程を記事化するところまで、全部同じセッションの中で完結した。

AIエージェントチームと何かを作るとき、自分の役割は「何を作るか」と「どこで終わりにするか」を決めることだった。判断はこちら、実行はAgent。この分業が機能すると、思ったより遠くまで行ける。


追伸:この記事を書いた当時のサイトについて

この記事で「半日で作った」と書いたサイトは、今見ているデザインとは別物だ。当時はWordPressの既製テーマをそのまま使った、こんな見た目だった。

旧テーマ時代のトップページ — サイドバー付きのGeneratePressデフォルトレイアウト

その後、記事が10本を超えたタイミングでエージェントチームとサイトを評価し直し、テーマをゼロからスクラッチ開発してリニューアルした。その経緯はこちらの記事に書いている。